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滑川市博物館

2024年12月9日

寒い日が続き、なかなかお出かけをする機会も少なる季節ですが、

暖かい室内で、富山の歴史について勉強してみませんか~?

 

今回は、滑川市博物館の企画展『な~ん 知らんだ!富山県東部の縄文後期ワールド』をご紹介します!

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富山県には、さまざまな遺跡がありますよね!

以前、STEP!でも朝日町の境A遺跡などの出土品を展示しているまいぶん館をご紹介しました。

 

現在、滑川市博物館で行われている企画展は、

富山県東部の遺跡の出土品を中心に紹介しています。

 

今回は、滑川市博物館の学芸員 盛田拳生さんに詳しく教えていただきました~!

 

まず、滑川市には、富山県指定文化財の『本江遺跡』があります。

縄文時代後期というかぎられた時代に反映した遺跡で、

さらに古墳時代の五角形住居跡なども見つかっています!

 

この古墳時代の住居跡が見つかったことをきっかけに、県指定文化財に指定されましたが、

縄文時代の出土品も珍しいものが多く、

研究者からも注目されている遺跡となっています~!

 

本江遺跡の縄文時代の特徴、それは、いろんな地域の文化が入り混じっているということです!

 

一般的には、東北地方の遺跡なら東北地方特有の模様の土器、

関東地方なら、関東でよくみられる形・模様の土器など、

その地域特有の土器が見つかることが多いです。

 

ただ、本江遺跡では、東北地方、関東地方、西日本、信州地域、それぞれの文化が取り入れられた土器が出土しているんです~!

 

縄文土器って、どれも似たような模様だと思っていたんですが、

じっくりみてみると、地域によって全く違う模様になっているので、

とっても興味深かったです・・・!

 

本江遺跡で見つかっている縄文土器を順番にご紹介しましょう!

 

まずは、関東地方でよくみられるタイプの土器です!

特徴としては、土器の外側に文様・模様がなく、

内側に細かい線や刺突文といわれる等間隔に何かで刺して型をつけた模様があります!

 

内側なので、ご飯茶碗で例えると、ご飯をもるところに模様があるということです!

 

細い線なので、結構スタイリッシュなデザインでカッコイイ感じでした!

 

また、器の縁の部分は少しギザギザしているのも特徴的です。

 

続いてご紹介するのは、西日本でよくみられるタイプの土器です。

西日本の土器は、巻貝を押し付けた文様に、横線・刺突文があります。

関東は内側に模様がありましたが、

西日本の影響を受けている土器は、外側に模様が描かれています!

 

ただ、本江遺跡で見つかっている西日本タイプの土器は、

完成度が低いとのことです(笑)

正確にはわかっていないそうですが、

学芸員によると、西日本でつくられた土器を持ってきたり、

西日本出身の人が富山で土器を作ったりしたのではなく、

西日本の文化の土器を見よう見まねで作っていたので完成度が低いのではないかとのことです。

 

土器に完成度が高い・低いがあると思っていなかったので、

ちょっとびっくりしましたね(笑)

 

次にご紹介するのは、東北地方の影響を受けた土器です。

深鉢などのくびれ部分にある縄で模様をつけたうねうねした縄文が特徴的です!

 

また、信州地方タイプの土器は、くびれ部分にぎざぎざの文様が描かれています。

アルファベットのZを縦につなげてかいたような模様です!

また、縁の部分が王冠のように波打った形、角が生えているような形になっています。

 

 

さらに、本江遺跡では、今ご紹介した土器の他にも、

本江遺跡ではよく見られますが、他の遺跡からはあまり発掘されていない、

本江遺跡独自のタイプの土器もあります。

 

まず、信州タイプの土器のように縁に突起があります。

そして、土器のくびれの部分は、何も模様が描かれず、

土器の胴部分には横線と縄の模様が入っています!

 

結構シンプルなデザインなんですが、

他ではあまりみることができないそうですよ~!

 

ここまで、本江遺跡で見つかっている土器をご紹介していきましたが、

いろんな地域と交流があったこともわかりますよね~!

だからこそ、全国の研究者の方が本江遺跡に注目しているというわけです・・・!

 

展示室には、とってもわかりやすい解説も書いてありますので、

それぞれどんな模様がついているのか、見比べてみてくださいね!

 

そして、今回の企画展では、本江遺跡のほかに、

富山県東部の遺跡からでた出土品も展示しています!

 

例えば、立山町の金剛新遺跡では、変わった形の土器が見つかっています!

鉢の外側に、コブのような突起物がついていたり、

鉢の縁が波打つような形をしたりしています~!

 

そして、面白かったのが、縄文後期の終わりごろに作られた壺の一部分の展示です!

解説文に、『楕円ドーナツのような文様がいたるところに!あっ!書き間違え発見!』とあったんです・・・!

 

書き間違え?どういうこと?とよーくみてみたら、

模様が規則的に並んでいるのに、一つだけ線をひくところを間違えて、別の模様になっているんです(笑)

まさか、この土器を作った方も、

何千年もあとになって、書き間違えを見つけられるとは思っていなかったでしょうね(笑)

 

また、魚津市の石垣遺跡からは、

細かい線で描かれた模様が美しい台付鉢の土台が発掘されています!

そして、富山県では3つしか出土していない、

遮光器土偶の一部が見つかっています!

 

他にも、黒部市の愛本新遺跡や朝日町の境A遺跡などの出土品も展示されていますので、

ぜひ、じっくりご覧になってみてくださいね!

 

ひとつの遺跡で、いろんな文化の土器がみられるのが面白かったです~!

なかなか、一度に各地域の文化があらわれたものを見ることはできないので、

本江遺跡ならではの展示だな~と感じました!

ぜひ、どんな模様が書いてあるのかじっくりご覧になってみてくださいね!

 

今日は、滑川市博物館で行われている『な~ん知らんだ!富山県東部の縄文後期ワールド』をご紹介しました!

 

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滑川市博物館

開館時間 午前10時から午後6時まで

※最終入館は午後5時30分です。

休館日  毎週月曜日

企画展  『な~ん知らんだ!富山県東部の縄文後期ワールド』

開催場所 滑川市博物館3階

期間   12月22日(日)

入場   無料

 

また、12月14日、12月22日は、展示解説会が行われます。

時間は、午前11時からと午後2時からとなっています!

 

滑川市博物館のHPはコチラから。

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mizunashi 12:00 PM